日本語補習校行かないで日本語習得は可能!現役講師のおすすめ紹介!

海外在住家庭の中には、日本語補習校に通わせる家庭とそうでない家庭があります。

日本のバックグラウンドを持っているなら日本語や日本文化を知ってほしいと思う親は多いですが、日本語補習校には行った方が良いのでしょうか?

日本語補習校に行かないで日本語を習得することは可能なのでしょうか?

この記事では日本語補習校についての解説と、日本語補習校に行かないでできる日本語学習法を紹介します。

海外での子供の日本語学習の悩みを少しでも解決できれば幸いです。

 

日本語補習校には行かない?行くべき?

日本語補習校は義務ではありません。

行くか行かないかは各家庭の方針によります。

また補習校と言ってもいくつか種類があり、似た教育機関に日本人学校もあります。

 

日本語補習校

日本語補習校とは現地校やインターナショナルスクールに通う児童を対象に、平日の夕方(現地校終了後)か土曜日に日本語で日本のカリキュラムに沿った授業をする学校です。

多くは日本人会や商工会、有志団体などが運営しています。

駐在員子女のための補習校、永住家庭の子供のための補習校、その両方とも受け入れている補習校があります。

科目は国語を中心に算数(数学)、社会、理科がある学校もあります。

 

日本人学校

日本人学校とは、駐在員子女の為につくられた平日の全日制の学校です。

日本人学校を卒業すれば日本の学校卒業と同じ資格が得られるので、日本人学校中学部を卒業すれば日本の高校受験資格が得られます。

日本の学校が海外にあるイメージです。

カリキュラムや進度は日本と同じです。

 

日本語補習校には行かない?メリットとデメリット

ここでは、日本語補習校のメリットとデメリットをまとめてみました。

日本語補習校メリット

・詩、俳句、短歌、落語など家庭で教えるのが難しい日本語教育を受けることができる

・算数の授業で九九を覚える(現地校ではやらない)

・運動会や学芸会など日本の行事を体験できる

・日本語を話す友達、同じ境遇の友達ができる

・日本語の図書を借りることができる

・親以外の大人と日本語で話す機会になる

・日本人の保護者と交流できる(保護者のメリット)

日本語補習校デメリット

・現地校と日本語補習校両方の宿題があり、多すぎる

・日本語補習校は週に1回のため宿題が多く、それが原因でストレスを感じたり親子けんかになったりする

・日本語補習校は家庭でのサポートを前提としているので、宿題を見るのが大変

・日本語補習校が土曜日に開校の場合、週末の時間が減って習い事や旅行ができない

・保護者は役員やボランティア参加が必須

・子供の日本語レベルによって授業が簡単だったり難しかったりする

・学校によっては学費が高い

「現地校の友達がしない勉強をさせられることが嫌だ」と感じる子供が多いようです。

一方で、現地校では大人しい子供が日本語補習校で生き生きとするケースもあります。

 

日本語補習校行かないで自己学習!現役講師おすすめ

日本語補習校は現地校や習い事との両立が大変な為、学年が上がるにつれてやめてしまう子も多くなります。

しかし、日本語補習校に行かないとしても日本語の勉強は続けさせたいですよね。

そこで日本語補習校に行かないでできる学習法を紹介します。

注目!

ここで紹介するサービス詳細や月額料金については、記事作成時である2022年11月の情報です。

最新情報については各公式ウェブサイトから必ず確認するようにして下さい。

 

通信教育教材を利用する

先ずはおすすめの通信教育教材を紹介します。

教材内容に大きな差はないので、料金やサービスについて比較していきます。

教材選びは子供が気に入るかどうかがポイントです。

日本から在住国への国際配送に関しては、海外発送サービスを利用すると便利です。

家族や知り合いにお願いするのも良いですが、業者を通すことで国際送料が格安になります。

 

ポピー(幼児~中学生まで)

余計な付録無しで、リーズナブルな価格です。

幼児コースの月額料金を表にまとめてみました。

年齢 月額料金(税込み)
2~3歳(ももちゃん) 980円
年少3~4歳(きいどり) 980円
年中4~5歳(あかどり) 1,100円
年長5~6歳(あおどり) 1,100円

 

在庫があれば1年分まとめて送ってくれるようです。

無料体験があるので、子供が気に入るかまずはお試ししてみても良いでしょう。

 

天神(幼児~中学生まで)

幼児版(0~6歳)は専用タブレット版とパソコン版があります。

いずれもインターネット接続は不要です。

定期購読ではなく、オーダーメイドカリキュラムの教材を買い上げるタイプの教材です。

そのため料金は1人1人異なります。

オーダーメイドというと高額なイメージがありますが、塾に通うよりは安いようです。

1台に3人まで登録できます。(パソコン版は無制限)

公式ウェブサイトでは「海外での受講も可能」とありますが、詳細は問い合わせる必要があります。

 

名探偵コナンゼミ(小学生向け)

小学館がプロデュースする教材です。

コナンたちが教えてくれるので、子供も楽しく取り組んでくれるかもしれませんね。

海外からはPDF版のみ受講可能です。

PDF版では添削サービスが受けられません。

入会金は0円、月額料金は以下のとおりです。

学年 月額料金(税込み)
1年生 1,320円
2年生 1,430円
3年生 1,980円
4年生 2,640円
5年生 3,190円
6年生 3,520円

 

 

デキタス(小中学生向け)

大手学習塾城南グループの教材です。

パソコンやタブレットがあれば受講できます。

入会金は0円で、入会月無料キャンペーンをやっていることもあります。

月額3,300円(税込)というシンプルな料金です。

5日間無料体験ができます。

 

Z会(幼児~高校生まで)

Z会は、月国内受講料+海外受講料2,100円で受講できます。

最低契約期間が1か月なので、合わなければすぐにやめることができます。

小学生に関しては、小学生コースと小学生タブレットコースがあり、内容がやや異なります。

小学生コースの方が記述、表現する問題が多いようです。

日本語レベルにもよりますが、海外在住の子供にはタブレットの方がとっつきやすいかと思います。

年齢 料金(税込み)
毎月払い 学年末まで一括払い
年少3~4歳 2,200円 2,090円
年中4~5歳 2,640円 2,508円
年長5~6歳 2,860円 2,717円
1年生(タブレット) 3,520円 3,344円
2年生(タブレット) 4,180円 3,971円

 

公式ウェブサイトで料金シミュレーションができます。

入会の時期によって料金が変わるようなので確認してみましょう。

 

すまいるぜみ(幼児~高校生まで)

専用タブレットで学習を進めます。

幼児年少コースの場合の料金を表にまとめてみました。

年少コース 一括払い(税込み) 1カ月あたり(税込み)
毎月払い 3,960円
6か月分 21,120円 3,520円
12か月分 39,336円 3,278円

 

毎月の配送料はかかりませんが、専用タブレット代で初月に10,978円かかります。

タブレット安心サポートは任意で、年間3,960円が別途かかります。

 

すらら(無学年方式)

すららは不登校の児童の自宅学習教材として国に認められています。

海外在住者が利用することも想定されており、パソコンかタブレットで受講できます。

無学年方式で学年にとらわれず、つまずいているところまでさかのぼって学習できます。

入会金は5教科で7,700円(税込)、3・4教科で11,000円(税込)です。

教科数 月額料金(税込み) 4カ月継続コースの場合の
1カ月あたり(税込み)
3教科 8,800円 8,228円
4教科 8,800円 8,228円
5教科 10,978円 10,428円

 

 

日本のアニメを視聴する

日本のアニメを視聴することで、子供は楽しく日本語に触れることができます。

海外でも日本のアニメは人気ですよね。

日本アニメを海外で視聴する方法を参考にして下さい。

日本アニメを通すことで、日本や日本語への関心もグッと高まるはずです。

 

アプリを利用する

特に幼稚園~小学校低学年までは、日本語での読み聞かせが大事です。

日本語を教えるというと難しく考えてしまいそうですが、読み聞かせなら簡単にできます。

親子のコミュニケーションの時間にもなります。

日本国籍を持っていれば大使館から無料で日本の教科書をもらえます。

それを活用すると年齢によって学習するべき内容が分かるので目安になります。

以下は自宅で使えるおすすめのアプリやサービスです。

 

PIBO

無料の絵本アプリです。

360冊以上の絵本が読めます。

無料だと1日3回の利用回数制限があります。

読み放題会員は月額480円です。

絵本を選択すると端末にダウンロードされるので、Wi-fi下でダウンロードしておけば外出先でも通信を気にせずに使えます。

Android版は現在ないようです。

アプリのダウンロード先

iPhone版をダウンロード

 

楽しい日本語練習

ひらがなとカタカナを学べる無料アプリです。

音声を聞きながらなぞることで書き順も身につきます。

なぞる練習だけでなく動物の絵と鳴き声を聞きながら書く練習モードもあるので楽しめます。

 

Dinolingo

世界の教育機関で利用されている言語学習プログラムです。

対象年齢は3歳から12歳まで。

50か国語に対応しており、Mum's Best AwardとDr.Toys 100 Bestを受賞しています。

「算数など他の教科は現地校でも学ぶから、余分な教科は必要ない。とにかく日本語の学習ができれば良い」という方におすすめです。

1年購入の99USドル(日本円でおよそ13,890円)で、4人の子供(兄弟姉妹)まで利用可能というコスパの良さ!

紙媒体の教材は全てダウンロードができるので、プリントアウトをして利用することができます。

先程ご紹介した通信教育教材は全て国際配送をする必要がありますが、Dinolingoはその必要がありません。

当ブログからの割引特典を利用すると、79USドル(およそ11,000円)で購入できるので、3,000円ほどお安くなります。

 

小学生手書き漢字ドリル1026

無料の漢字練習アプリです。

小学校6年間の漢字を学べます。

読み書きはもちろん四字熟語や同義語・対義語など幅広く勉強できます。

メニューは学年ごとに分かれているので、その年齢で習得すべき漢字を把握できます。

有料版もありますが家庭で使う分には無料版で十分でしょう。

 

日本語補習校で教師をしていて思うこと

私は永住家庭の子供が通う日本語補習校で教師をしています。

日本語補習校は週に1回しかないので、日本語レベルは家庭での努力が大きいと感じています。

幼稚園児は家庭で過ごす時間が多い為、日本語を話す時間も多いでしょう。

ところが現地の小学校に通い始めると、日常的に使う言語は英語になります。

必然的に日本語力は低下します。

どの子供にも共通しているのは、漢字の読み書きが難しいという点です。

保護者の立場から見ると、毎週当番制の校舎の見回り係や理事会運営などとても大変そうです。

学校運営は保護者の協力無くして成り立ちません。

子供の勉強意欲だけでなく、保護者のやる気も非常に重要だと感じます。

大変ですが、同じ境遇の人と出会えるのは子供も保護者も心強いはずです。

移民2世やハーフの知り合いから、「言葉の壁で親と深い話ができないのが寂しい」と聞いたことがあります。

親も同様に感じるはずです。

移住した人、国際結婚した人は孤独を感じる瞬間があることでしょう。

日本の行事を体験できるのは、子供も保護者も嬉しいと思います。

運動会や学芸会など、各家庭ではできないことが体験できるのは、日本語補習校の良いところです。

 

日本語補習校行かないで日本語を習得!まとめ

日本語補習校に行かないで日本語を習得することは不可能ではありません。

むしろ日本語補習校に通っていたとしても、各家庭での努力は必須です。

どちらにせよ大切なことは、親だけでなく子供もやる気があること。

子供が日本語に対して「好き、楽しい」などポジティブな感情を持つことです。

現地校が忙しくなったり反抗期になったり大変な時期はあります。

ですが、幼少期に基礎だけでもやっておくと、将来自分の意思で勉強したくなった時に役立つはずです。

日本語補習校に行くべきか、自宅のみで学習するかは生活スタイルや目標に合わせて検討してみて下さい。

家族で話し合って決めた答えならどれも正解です!