、つい最近のことなのですが、ワーホリを終えて日本に帰国された方から、以下のようなご相談を受けました。
しかし、ニュージーランドの銀行口座からその4000ドルを日本で受け取ることができません。
どうしたら良いですか?
実は私自身、同じようなミスを経験しています。
タックスリターン還付金の処理が正常にされたとは言え、自分の手元に戻らなければ意味が無いですよね。
今日は、タックスリターンの概要についてと、還付金を日本で確実に受け取る方法について詳しく解説していきます。
目次
タックスリターンの概要
タックスリターンは、通常4月1日以降に申請手続きをします。
4月1日以前に日本帰国予定の方は、出国前にタックスリターンの手続きをする必要があります。
2020年度版・申請用紙の記入方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考にしてみて下さい。
4月1日以降もニュージーランドにいる人の場合
特に何もしなくて大丈夫です。
「ニュージーランド政府」の公式ウェブサイトにも以下のような説明があります。
Most people automatically get a tax refund if they’re owed one.
Who gets automatic refunds
Your refund will be automatic if your income is from:
①employment (such as salary and wages)
②investments (such as interest or dividends under $200 from bank deposits or savings)
③an employee share-scheme benefit where tax is already deducted
④schedular payments
⑤income-tested benefits
⑥taxable Māori authority distributions
⑦New Zealand superannuation (NZ Super)New Zealand Government
上記の説明の中に「Most people automatically get a tax refund if they're owed one」とありますが、日本語に訳すとほとんどの人は自動的にタックスリターンを受け取ることになるという意味になります。
じゃあどういう人が何の申請もすることなくタックスリターンが受け取れるのか?
①~⑦まで例があがっていますが、ワーホリの方のほとんどは①の雇用されてお給料をもらっていた場合にあたるかと思います。
Inland Revenue(ニュージーランドの税務署)が還付金を算出し、銀行口座に振り込む(IRDナンバー発行手続きの際に登録した銀行口座)という仕組みになっています。
3月31日以前にニュージーランド出国予定の人の場合
Anyone holding a Working Holiday Visa is entitled to a tax return, so all or part of the tax they paid whilst working in New Zealand.In order to apply for your tax return you need to:
Contact the Inland Revenue about 1 month before you are due to leave New Zealand. You will need to explain that you are coming to the end of your Working Holiday Visa and would like a tax return.
They will either send you the correct forms to fill out or advise which form to fill out online.
You will need to provide back account details or a credit card for your tax to be returned to you.
You can contact the Inland Revenue on a freephone number (from within New Zealand): 0800 227 774 (if calling via a mobile phone from within NZ dial 04 978 0738 or from outside of New Zealand: +64 4 978 0779. Most departments at the Inland Revenue are open from 8am – 8pm Monday to Friday and 9am – 1pm on a Saturday.Alternatively you can find more New Zealand tax information at https://www.ird.govt.nz/ Job Search Australia & New Zealand
上記はJob Search Australia & New Zealandの公式ウェブサイトに記載されている内容ですが、「Contact the Inland Revenue about 1 month before you are due to leave New Zealand.」と記載されています。
日本語に訳すと、ニュージーランド出国の1ヵ月前にIRDと連絡を取ることと書かれているのがわかります。
「連絡を取ること」とは要するに、タックスリターンの申請手続きをすることです。
2020年度版・申請用紙の入手については、以下の記事よりご確認下さい。
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IRDオフィスの場所と連絡先
ワーホリのほとんどの方が、IRDオフィスに出向くか、郵送でタックスリターン申請用紙を提出していると思います。
なので、ニュージーランド全国にあるIRDオフィスの住所と営業時間を紹介します。
北島
オークランド
住所:5 Byron Avenue, Takapuna, Auckland 0622
営業時間:月曜日~金曜日 9時00分~16時00分
電話番号:0800 775 247
ロトルア
住所:Pukaki Centre 1144 Pukaki Street, Rotorua 3010
営業時間:月曜日~金曜日 9時00分~16時00分
電話番号:0800 775 247
パーマストン・ノース
住所:Te Ao Nui 17 Victoria Avenue, Palmerston North 4410
営業時間:月曜日~金曜日 9時00分~16時00分
電話番号:0800 775 247
ネイピア
住所:204 Hastings Street, Napier South, Napier 4110
営業時間:月曜日~木曜日 9時00分~16時00分
金曜日 10時00分~16時00分
電話番号:0800 775 247
ニュープリマス
住所:315 Devon Street East, New Plymouth 4312
営業時間:月曜日~木曜日 9時00分~16時00分
金曜日 10時00分~16時00分
電話番号:0800 775 247
ウェリントン
住所:12/22 Hawkestone Street, Thorndon, Wellington 6011
営業時間:月曜日~木曜日 9時00分~16時00分
金曜日 10時00分~16時00分
電話番号:0800 775 247
南島
クライストチャーチ
住所:74 Moorhouse Avenue, Addington, Christchurch 8011
営業時間:月曜日~金曜日 9時00分~16時30分
電話番号:0800 775 247
ティマル
住所:7 Beswick Street, Timaru Central, Timaru 7910
営業時間:月曜日~金曜日 10時30分~16時00分
電話番号:0800 775 247
ダニーデン
住所:Phillip Laing House, 144 Rattray Street, Dunedin 9016
営業時間:月曜日~木曜日 9時00分~16時00分
金曜日 9時30分~16時00分
電話番号:0800 775 247
グレイマウス
住所:Blanchfield House Corner of Guinness and, Albert Street, Greymouth 7805
営業時間:月・火・木曜日のみ 10時30分~16時00分
電話番号:0800 775 247
インバーカーギル
住所:45 Yarrow Street, Invercargill 9810
営業時間:月曜日~木曜日 10時30分~16時00分
電話番号:0800 775 247
ネルソン
住所:Civic House Corner of Trafalgar and, Halifax Street East, Nelson 7010
営業時間:月曜日~木曜日 9時00分~16時00分
金曜日 10時00分~16時00分
電話番号:0800 775 247
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還付金の受け取り方法

4月1日以降もニュージーランドにいる人の場合
IRDナンバー申請時に登録したニュージーランド銀行口座に、自動的に入金されます。
3月31日以前にニュージーランド出国予定の人の場合
方法として、以下の2通りがあります。
②ニュージーランドの銀行口座を開設したままにしておき、その口座に入金してもらう。
①の場合で還付金が少ない場合、日本の銀行へ支払う手数料の方が高くついてしまい、マイナスとなることもあるので注意が必要です。
実はこれ、私がしたミスです。
小切手を持って三井住友銀行に出向いたのですが、窓口で銀行の方に
「お手続きすると、お客様に○○円をお支払い頂くことになりますが、如何致しますか?」と聞かれました。
受け取り金額より、銀行手数料の方が高かったのです...
もちろんお断りしました。
その後どうしたのか?というと、
ニュージーランドに再度入国した際に、小切手を持ってニュージーランドの銀行に行き、現金を受け取りました。
ただ、ニュージーランドにまた入国する予定が無い方にとっては、現実的では無い方法です。
②の場合、ニュージーランドの銀行口座に、IRDから還付金が振り込まれます。
ただ、問題となるのがその還付金をどうやって日本で受け取るのか?
ここが問題となります。
次から、その解決法について解説をしていきます。
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還付金を少額でも確実に受け取る方法とは?
どうしたらワーホリ後、日本でタックスリターンのお金を受け取れるのか?
答えから言うと、以下の2つの方法があります。
②トランスファーワイズでアカウントを作る
それぞれについて解説します。
デビットカードを作る
自分が使っているニュージーランドの銀行で、デビットカードを作ります。
ワーホリの場合、クレジットカードをつくるのは、条件的にややハードルが高いです。
ですが、デビットカードは誰しも簡単に作ることができます。
細かいことを言うと、銀行によって、デビットカードの正式な名称が違います。
ANZ・Kiwi Bankの場合は「ビザデビットカード」、Westpacの場合は「デビットマスターカード」と呼びます。
デビットカードは、自分が所有するニュージーランドの銀行口座と紐づいています。
要するに、「デビットカードのアカウント=エフトポスカードのアカウント」ということです。
アカウントは同じですが、エフトポスカードとデビットカードには、徹底的な違いがあります。
デビットカードの場合、以下の2点がエフトポスカードと異なります。
②ニュージーランド以外の国から出金が可能
よくワーホリ女子から、
バスの予約やバックパッカーの予約をオンラインでしたんですど、オンラインでの支払いってエフトポスは使えないんですね。
結局日本のクレジットカードで支払ったんですけど、日本の銀行口座にあまりお金が入ってないから、できればニュージーランドの銀行にあるお金を使いたいんですよね...
なんて相談をされます。
デビットカードを作りましょう!
ちなみに、デビットカードには年会費がかかります。
私はWestpacのデビットマスターカードを持っているのですが、発行1年後から年会費10ドルの支払い義務が発生するそうです。
タックスリターン還付金を手に入れるなら、10ドルなんてたいしたことないですよね。
ANZやKiwi bankのデビットカード年会費については、それぞれの公式ウェブサイトから確認をして下さい。
トランスファーワイズのアカウントを作る
2つ目の解決策は、トランスファーワイズという海外送金を利用して、ニュージーランドから日本に資金移動をする方法です。
注意点としては、ニュージーランドにいる間に「ニュージーランド用のアカウント」をつくっておくことです。
ニュージーランドから日本へ資金移動をさせるには、「ニュージーランド用のアカウント」が必要です。
アカウント作成には、ニュージーランドで発行された写真付き身分証明書(私はニュージーランド発行の運転免許証を提出しました)と住所証明(Westpacで住所を登録し、銀行印付きの書類をプリントアウトしてもらいました)が必要です。
トランスファーワイズの利用については、以下の記事で解説しています。
参考にしてみて下さい。
タックスリターン還付金を受け取る手順としては、以下のようなイメージをもっておくと良いでしょう。
③IRDからニュージーランドの銀行口座にタックスリターン還付金が入金。
④デビットカード、もしくはトランスファーワイズを利用し、日本の銀行口座に資金移動。
⑤ニュージーランドの銀行口座やデビットカードの利用を止めたい場合には、銀行のEmail宛に処理の依頼。
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まとめ
いかがでしたか?
タックスリターンの申請手続きを終えると、「これで還付金が受け取れるぞ!」と安心してしまい、その先のことについてなんて考えませんよね。
まさか意外な落とし穴があるだなんて、自分が経験するまでは全く気付きませんでした。
そしてこの経験を思い出したのも、ワーホリ日本帰国者によるご相談があったからこそです。
自分以外にもいるんだなぁ...と思いつつ、これからこんなことで悩む人がいなくなるよう、記事に書いてみました。
せっかく稼いで払いすぎた税金です。
少額だろうがなんだろうが確実に受け取って、自分へのご褒美に使って下さいね!